ブランド紹介

sufuto



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「sufuto」は清原織物が展開する「祝いの品々」を紡ぐブランドです。
清原織物は室町時代より綴織(つづれおり)を家業とし、結納のふくさや帯、祭礼用の幕地や舞台緞帳など制作してきました。
誰にとっても思い出に残る特別で大切な日は訪れます。そしてその時を共に過ごしたものにも思い出がつづられていきます。
綴織は、祝の織物「寿布(すふ)」である。
そんな思いのもとsufutoは特別な時に寄り添い、祝い事や贈り物にふさわしい品々を紡いでいきます。   




今回お邪魔させていただいたのは、「sufuto」ブランドを立ち上げ、4000年以上続く「つづれ織り」を発展継承しようとしている清原織物さんです。
「sufuto」では清原織物の清原聖司さんを中心に、現代の暮らしに馴染むモノを作り出し、織元として「つづれ織り」のバトン継承しようとしています。
そんな清原さんに案内していただきながら、「つづれ織り」について、「sufuto」についてなど様々なお話をうかがいました。

清原さん、本社前にて。以前は建築関係のお仕事をされていましたが、家業を継ぐべく清原織物に。織機の修理など、意外にも前職の知識を活かせる場面は多いそうです。

清原織物と「職人さん」

清原織物は西陣織の織元。西陣織といえば京都ですね。でもこちらの清原織物さんは滋賀県守山市に本社を置きます。

現在では西陣織の定義には、場所での制約はあまりないそうです。とは言え、清原織物さんも過去を辿れば京都で生業をされていたそうです。しかし、職人不足などから現在の守山市に拠点を移されたそう。
織物業界では出機(でばた)といって、内職のような形で各地の職人さんに生地を織り上げてもらう形で成り立っている部分もあるため、どこで織っているかという点はそれほど重要ではないのかもしれません。
ただそのため、海外で織ってもらった生地を使う織元さんもあったりするそうです。さすがにそれは少し問題があるように思えますね。

清原織物さんでも出機の職人さんはいらっしゃいます。大きなものは工場でしか織れませんが、小さなものは清原織物さんから貸し出される織機さえ置く場所が確保できればどこでも仕事は可能です。

本社から少し離れた場所にある伊吹工場。こちらでも大きなものを中心に織っています。

清原さんの祖父が全国で出機の職人さんを育成してまわられたそうで、場所を選ばず仕事ができるということから山間部の女性の方々が出機職人となったそうです。
以前は全国に大勢の出機職人さんがいらっしゃいましたが、現在は全国で30名ほど。皆さん長い職人歴があり確かな技術の持ち主とのこと。なんと最高齢は現在91歳の方が現役で職人をされています。
現在91歳の(にはとても見えません!)織子さん「今川百合子」さんです、とてもいい表情。今も変わらず丁寧な仕事をされます。

清原織物では、全国各地の腕の確かな職人さんに支えられて、今も昔も変わらず純日本製の高品質な織物を作ります。

「爪掻き本綴れ」と「つづれ織り」

「爪掻き本綴れ」は「つづれ織り」の中でも最高級の織り技法です。
「爪掻き本綴れ」の前に、まずは基本となる「綴れ織(つづれ織り)」について清原さんにご説明いただきました。

「つづれ織り」行う清原織物さんの製造現場

「つづれ織り」の歴史は4000年ほど前に遡ります。古代エジプトで生まれた「つづれ織り」はシルクロードに運ばれ日本までたどりつきました。どこで"日本の"「つづれ織り」の原型ができたかは諸説ありますが、つづれ織りの技法は織物の原点というべきものになります。
通常は、糸を巻きつけたシャトルという道具を左右に"まっすぐ"行き来させて織っていくのですが、「つづれ織り」ではシャトルを斜めに入れます。そして、このだぶついた糸で縦糸を包み込むようにしていきます。そうすることで縦糸は全く見えなく隠れていき、それが厚みと強度を作り上げていきます。

斜めに横糸を入れています

「つづれ織り」はその強度がひとつの特徴です。本革と比べて横方向で最大で約5倍の強度を持つそうです。もっとも使用する糸にも左右はされますが、極めて強く美しい生地ができるそうです。
清原織物さんでは太く上質な絹糸を使用します。糸の段階ではツヤツヤ、織ると少し落ち着いた色味になるそうです。

「爪掻き本綴れ」、爪?

爪?そうです、手の爪です。爪のような道具を使うのかな、と思っていたのですがそのまま「爪」を道具として使います。
通常の「つづれ織り」ではこのような道具を使います。
これは斜めに入れた横糸を詰めるときに使う道具、櫛です。グッとつめることで横糸に縦糸を包み込ませていきます。
「爪掻き本綴れ」では、その道具の代わりに指の爪を使うことがあります。緻密な絵柄では櫛だと上手に横糸を詰めれない。また何度も何度も詰めて絵柄を整えていくので道具の持ち替えは効率が悪い。そんな理由から爪を道具として使うそうです。
爪にヤスリを入れて櫛のような凸凹を作ります。職人さんの悩みは爪に服が引っかかることだそうです。

爪を使わなければ整えることもできないほどの緻密な絵柄、本当に本当に気の遠くなるような仕事です。なんと1日かけても1センチほどしか織れないこともあるそうです。 こんな複雑な絵柄も表現できるなんて信じられません

曲線の絵柄も作れます

裏面。つづれ織りでは縦糸が隠れるので裏面も同じ柄。だから表が傷んでくれば少し出ている糸の端だけを反対面に押し込み裏面を表としても使えるそうです。

祇園祭の山鉾は「動く美術館」とも言われます。山鉾を彩る懸装品には様々な織物が使われています、その中でも緻密で見事な絵柄では「爪掻き本綴れ」が使われていることが多いそうです。
そんなところからも「爪掻き本綴れ」の伝統と信頼性、美しさと丈夫さがうかがえます。

「sufuto」に込めた想い

古代エジプトに始まり、4000年もの時間をかけて拡がり、発展してきた「つづれ織り」。
清原さんの言葉の節々から「つづれ織り」の織元であることの誇りを感じ取ることができます。
しかし、同時に現代の人々のライフスタイルからはかけ離れて、高級な着物、美術品として役割が中心となっていることに危惧も抱かれています。もちろんそれは重要な役割ではあります。しかし、生活のスタイルがここまで変化してきているにもかかわらず、変化することなくこれから先「つづれ織り」は継承されていくのか。

「もっと早くても良かったんです。」

清原さんは言います。
「次の時代につなげるために織元としてなにができるか」
その問いに対するひとつの答えが「sufuto」ブランドの立ち上げでした。清原さんは「sufuto」という織物ブランドで現代の暮らしに馴染むモノを作ります。


これは織機で使うシャトルです。 シャトルバスやスペースシャトルの語源はこの「シャトル」。往復を繰り返すものに「シャトル」と付けられるようになりました。

「古代エジプトから日本へ来たつづれ織りというシャトルを返すことが夢なんです」
もちろんそのまま返すのではなく、付加価値をつけて返す。とても夢のある、男のロマンです。
ただそれがすでに少しづつ現実になりかけています。
着々とシャトルを返す準備を進めている「sufuto」。まだ「sufuto」ブランドは生まれたばかりですが、間違いなくこれから「爪掻き本綴れ」「つづれ織り」が職人さん達の想いとともに「sufuto」というシャトルに乗って日本中に、世界中に、新たな価値を届けることになるはずです。



これからが本当に楽しみなつづれ織りのブランド「sufuto」。日本いいもの屋ではその活動を様々な形で応援していきたいと思います。そしてぜひ皆さんも一緒に応援してください。
清原さんそして清原織物の皆様、お忙しいなか取材にご協力いただき本当にありがとうございました!



清原織物さんが昔、皇室に「爪掻き本綴れ」を献上した時のワンシーン


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