『京和晒ガーゼパジャマ』

京和晒ガーゼパジャマ



初めて自分で自分の服を選んだ日のことを覚えている。

小学校の修学旅行へ来ていくジャンパーを、近所で一番大きい4階建のダイエーで買ったのだ。

一緒に出かけた母親が勧める、青とか黄色の派手なジャンパーではなくて、

なるべる文字が入っていない、黒のジャンパーを選んだ。

なんとなくそれからは自分でズボンやシャツも選ぶようになって、

ちょうどそのころ下着も好みの形が出来て、

気づくと母親が選んでくるものは、学校指定の白いハイソックスだけになった。

早めの雪が降った今年の12月、就職して初めて迎える年末が近づいてきた。

白い白い雪を見ていたら、母が買ってくる白いハイソックスを思い出した。

逆に、母が着るものを選ぶ日が、自分にやって来るなんて。

これなら着てくれるかな、好みに合うかな。

人に服を選ぶ難しさを、母親もあの頃感じていたのだろうか。

あの頃の自分は、服を選んでくれた母に、お礼のひとつも言えなかったけれど。

初めて、母のために選ぶ服は、晒のパジャマにした。

着心地がいい分、もしも色の好みが多少違っても満足してくれるだろう。





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京和晒ガーゼパジャマ