『珪藻土のドライイングエッグ』

珪藻土のドライイングエッグ -soil-


自称エコロジストの友達の家に、それはあった。

カルピスを取り出しながら、それに気づいて、

それを気にせずカルピスを作って、

カルピスを一緒に飲みながら、聞いた。

「たまご入れるポケットにある、変ないろの卵なぁに?」

「あっ、たまご、腐っちゃってた?!」

「えっ、腐ってるの?やめてよー!」

空になったグラスを持って、一緒に冷蔵庫の前に走った。

友達が扉を開けて、注意深く点検して、中から卵をひとつ取り出した。

「さっき言ってたの、これのこと?」

握られていたのは、まるで石のような色をしたたまご。

いや、よく見ると、たまごの形をした石だった。

「なぁに、それ」

「これ、消臭剤だよう。かわいい形でしょう、

珪藻土で出来ててずっと使えるんだよ、エコでしょう。」

友達がカルピスを取り出したので、おかわりを求めてグラスを手渡した。

「ちょっとー。飲み過ぎじゃない?人んちでさぁ」

「いいじゃない、たまごも腐ってなかったし一件落着」

「超薄くしてやる。エコ仕様だ」

「経済的エコだね」

エコ好きな友達の家の、冷蔵庫の秘密。





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 珪藻土のドライイングエッグ