エムピウ m+

エムピウ ブランド紹介
エムピウ ブランド紹介




※ページ下部へ進みます


- m+(エムピウ) -
2001年、村上雄一郎の革製品ブランド m+[エムピウ]が誕生しました。
村上の m にプラスをつけたのは「作り手+誰か」によって、ものが完成するから。年月を重ねて、m+のアイテムは広がりましたが、ブランド名にこめた思いは変わりません。
自然が育む天然素材、信頼できる職人、そして使い手の一人一人が関わりながら、m+の革製品は生まれてきます。




今回取材させていただいたのはエムピウ m+さんです。代表の村上さんにお話をうかがわせていただきました。


エムピウの村上さん

エムピウは東京の台東区蔵前にあるのですが、この台東区は古くからものづくりが盛んな場所で町工場がたくさんあり、そんな業者向けの卸問屋さんもたくさんあります。
最近では特に蔵前周辺にこだわりの詰まった素敵なお店も多くなり定期的に地域イベントなども行われています
エムピウの商品に出会ったのはそんなイベントが開催されている時期、同地域の取引先の方に「こんな良いもの作ってるところがありますよ」と教えていただいたことがきっかけでした。
個人的に革製品が好きなこともあり、そのデザインと機能性そしてエイジングの風合いに一瞬で魅せられてしまいました。


エムピウ代表作
2つ折り財布ミッレフォッリエ


「m+」の意味

ブランド名は「m+」。エムにプラスと書いてエムピウと読みます。どんなブランドにもそのブランド名にはたいてい何か由来があります。


エムピウのロゴ

代表の村上さんの想いとして、革製品というのは使い手が使ってはじめて完成するという考えがあります。つまり革製品は製品ができた時点ではなく、使うことでエイジングし使い手ごとに出る表情を含めて完成するという考えを持たれています。
だからm+の「m」は代表村上さんのイニシャルから。「+」は他の誰か、使い手が完成させるブランドなのです。


建築士からの転身

エムピウが生まれる以前、当時建築士をされていた村上さんは悩んでいました。

建築士と言っても全てを自分で設計するわけではない。それに予算という金額が決まっていてその中で仕事をする。喜んでもらえればいいけれどそうでなくても仕事として否定されるものではない。仕事としては面白いしやり甲斐はある、けど性格的にモヤモヤするな、と。

「実感があまりわかないんです、それにいさぎよくないというか。。」

一般的に、ものを作って売るというのは、製品ができて、値段を決めて、お客様がそれで納得すれば買っていただく。

「そんな"いさぎの良い"仕事がしてみたいと思うようになりました」

そうして村上さんはものづくりを志すようになったそうです。だから今でも村上さんはオーダーメイドの仕事を基本的には受けられていないと言います。



そして革職人に

ではなぜものづくりの中でも革職人になったのでしょうか?



「革・鉄・木、この3つの素材のいずれかで考えました」

これらの共通点は経年変化。今のエムピウのコンセプトにもつながるのですが「エイジング」を愉しめる素材を使いたかったそうです。

「鉄は機材が相当必要、木も必要な機材が多い、革が一番とっつきやすかったんです(笑)」
最終的には案外直球な理由。そうして革職人になることを決めたそうです。

聞くと、もちろんそれだけでなく以前から革小物は趣味で作られていて、周りからの評価も上々。そのころから革を扱う面白さを感じていたそうです。


イタリアへ修行に

イタリアのトスカーナ州には革職人の職業訓練学校、ここにはアジア人枠のような制度があり、そこに村上さんは応募されたそうです。

なんとここは授業料は無料!
1年間無料で革について学ぶことができる学校で、もちろんそうすると競争率は極めて高い。2人の枠に数十名の応募があったそうです。
難しいように思える競争率。しかし、村上さんはこの学校に入ることができました。

なぜでしょうか?
「実は試験があると聞かされていた時期が大幅にずれたんです。他の数十人は皆その期間を待てずに他を探した。僕ともうひとりだけが残ったんです。」
そんな経緯ですんなりと学校で勉強ができるように。

1年間学校で学んだ後には、もう1年間ベネトンの子会社で働き、数多くの経験を積まれ日本に帰国されたそうです。


代表作の誕生

帰国後すぐにエムピウが軌道に乗ったわけではありません。なかなかうまくいかない。そうしてしばらくは自分のブランドではなく、家具のOEMやランドセルのOEMのようなことをされていたそうです。

この時期に並行して今やエムピウの代表作ともなる財布「ミッレフォッリエ」が生まれました。 この開発にはとても時間がかかったそうです。



小銭、カード、お札を机に並べて、どういう構造が使いやすいか。どうすればコンパクトに収まるか。そして留め部分は、マジックテープ?磁石?ゴムで止める?試行錯誤の末今の真鍮製のギボシで留める形に行き着きました。
ギボシの位置も上面にしてみたりもしましたが、お尻のポケットに入れたときのスマートさを考え今の側面に。ここであれば取り出すときもひっかからない。
真鍮製のギボシは革とともにエイジングしていくし、とても丈夫で壊れない。サイズも若干は調節ができる。そうして現在の形のミッレフォッリエが完成しました。
それでもすぐには軌道に乗らず、軌道に乗ったと感じたのは新聞にミッレフォッリエが載ってからだそうです。そこからは口コミなどでも広まり今では製造が追いつかないほどになってしまっています。


革へのこだわり

エムピウの大きな特徴のひとつは素材である革へのこだわりです。
革の本場イタリアで修行されてきた村上さん、革へのこだわりはやはり強いものがあります。


ブッテーロ革を使用するミッレフォッリエのブルー
ブッテーロ革=イタリアのトスカーナ地方で作られている、最高級のタンニンなめし革

エムピウの商品は全て"高級ブランド"などで使用されている一流のタンナー(革製造職人)の革です。まさに信頼のおける高品質な革。

また革を染める方法にもこだわりが。色をつける方法は大きく分けて2種類あり、「染料と仕上げ」ともうひとつは「顔料仕上げ」。

「染料仕上げ」は、文字通り革を染料で染めます。染めなので革のキズやシワがあればそのまま表面に出てきます。つまり質のいい選ばれた革しか染料仕上げには向いていないということです。

「顔料仕上げ」は、表面をペンキのようなもので塗るようなイメージで染料と違って内部には染み込みません。表面を覆うことができるのである程度のキズやシワは隠すことができてしまいます。

つまり染料仕上げであればエイジングを楽しめますが、顔料であれば使い重ねるごとに剥げが目立ってきます。


実はこの2つ同じ革なのです

だからエムピウでは上質な染料仕上げの革を使います。コンセプトのひとつである「エイジング」を愉しむためには革の素材や染料からこだわった革を使用する必要があるのです。


2つの専門性

「ミッレフォッリエのような代表作をあと2つは生み出したいです」村上さんは言います。

個人的にミッレフォッリエに惹かれたポイントはデザイン性はもちろんなのですが、その機能性でした。お尻のポケットにすんなり入るサイズなのに開いたときに全てが一目で見える。小銭も二つ折り財布なのに小銭入れにある利便性、探しやすさも持ち合わせている。


ミッレフォッリエを開いた状態

建物の構造を機能面も含めて設計する元建築士の村上さんだからこそ、この財布が生み出せたのではないかと思います。建築士として持っていた能力に、革の知識と技術が加わり、今までに世の中になかったものが生まれた。

建築士から革職人と特殊な経歴を持つ村上さん、一見遠回りをして革職人の道に進んだようにも思えますが、そんな風に考えると案外遠回りをしたからこそたどり着くことができたのだとも言えます。

これからもエムピウらしい、村上さんだからこそ作れたという商品を生み出されること楽しみにしております。お忙しい中、取材にご協力いただき有難うございました!





エムピウの商品一覧


エムピウ ミッレフォッリエ 二つ折り財布

革財布 ミッレフォッリエ




エムピウ ミッレフォッリエ クアドレッティ 二つ折り財布

革財布 ミッレフォッリエ クアドレッティ



エムピウ 名刺入れ フォルママチ

名刺入れ フォルママチ


エムピウ ペンケース ロトロ

ペンケース ロトロ