ブランド紹介

ツルヤ商店



ツルヤ商店 ブランド紹介
創業以来、頑固なまでに「自社製造の国産」にこだわり続け、移りゆく時代の中で温かさを守り続けてきました。繊細な日本人の手仕事によって造られる国産籐製品の良さをきっと理解していただけると思っております。天然素材「籐」を用い、時代の声に耳を傾けながら、これからも“確かなもの”を贈り続けていきます。   



ツルヤ商店取材記



今回取材にお邪魔させていただいたのは山形県山形市にあるツルヤ商店さん。宮町というツルヤ商店さんがある周辺は昔から様々なものづくりが盛んで、その中でも鍛治屋が特に多くあったそうで。聞くと数十年前まで、あたりには鍛冶屋さんで打つ音が響いていたそうです。
今では少なくはなりましたが、そうはいっても山形市は鋳物、刃物、箪笥、漆器、など伝統あるものづくりが盛んな地域です。

こちらは代表の會田(あいた)さん。ご自身も職人でありながら対外的なお仕事もほぼご自身でされています。今回は會田さんに貴重なお時間をいただきお話をうかがいながら、製造現場をご案内いただきました。





特徴ある独特な素材、籐(ラタン)

籐(=ラタン)製のもので思い浮かべるものといえば、カフェのテラスなどで使われている椅子の座面やテーブル、温泉の脱衣かご、あとは温泉の脱衣所の床などでしょうか。総じて割合過酷な環境下で使われています。
そこからもわかるように、籐(=ラタン)というのはとても強く柔軟な素材なのです。
籐という素材は平安時代に遣唐使が日本に伝えたそうです。日本での歴史は古く、例えば正倉院に保管されている品に籐のカゴがあったりします。伝来以降、様々な品で日本でも活用されるようになりました。
ツルヤ商店さんの創業は1907年、歴史100年以上の老舗。数十年前からは籐のかごなどの輸入品が増え、国内の籐関連の会社の多くは輸入品におされ次々廃業されていったそうです。
ツルヤ商店さんも一時期は複数の工場を構えていたそうですが、現在は工場をひとつにし、従業員数も以前の3分の1程になったそうです。そうして現在日本国内で籐工芸の職人さんは数少なくなり、今では東北では籐製品の製造元はツルヤ商店ただひとつです。全国的にも日本製の籐製品は珍しいものになってしまいました。

加工前の籐(ラタン)

籐という素材、これがなんといっても特徴的。強くて、柔軟で、軽い。切れにくく、他の自然素材に比べて水にも強い。他の素材にはない素晴らしい特徴をもっています。
柔軟さで様々な形に変えることができるし、椅子やテーブルや家具に使用されるほど強靭でありながら、カフェの椅子に使われていることからもわかるようにとても軽い。そして水にも強い。
日本おいては古くから様々な武具、弓矢などでも籐を各所で使用されてきました。こんな自然素材他にあるでしょうか。
ただその課題はほぼ全ての工程が手作業でしかできない点。もちろん現在もツルヤ商店の商品全て、職人がひと商品ずつ大変な工数と時間をかけて作り上げています。


藤(ラタン)素材へのこだわり

籐(ラタン)でツルヤ商店さんが使用するのは芯部分(左)と皮の部分(右)、両者は用途が異なります。

芯部分はフレームなどに主に使われ、皮の部分はつなぎ目の補強などに主に使われます。
ここで材料について少し細かく解説しますね。
ツルヤ商店では材料にもこだわりがあります。籐の皮、上質な仕上がりとするためには表面を少しだけ削る必要があるそうです。そうすることで仕上がりが美しく、長持ちする。
これは熟練の職人しかできない技で、国内の協力工場の職人に依頼しているそうです。その職人はなんと全て「手引き」といって機械ではなく、職人の手で削られているそうです。実はこの職人も今では数えるほどしかいないそうです。
次に籐の芯部分、これも一見同じように見えても硬さや色合いなど全てが違います。用途やどこに使うかで硬さや色合いを職人が見極めて使っています。
ツルヤ商店では最近素材そのままで加工しないナチュラル系の商品を多く作っていて、その場合は特に素材を厳選して見極める能力が必要になります。
素材に色をつける商品であれば素材自体の色合いの違いは関係なくなりますが、ナチュラルな色で製品化する場合は部位ごとに色が変わるといけない。汚れがあってもいけない。硬さだけでなく色合いや質も。特に厳選したもののみがナチュラル色の籐製品には使われています。


籐の加工方法、曲げる

籐(ラタン)の加工方法で特徴的なもののひとつが、「曲げる」工程。これも籐という素材が柔軟かつ強いためできます。通常の木材も曲げる加工というのはあるのですが、特殊な機械や特殊な加工が必要です。
それに対して籐はどのように曲げるかというと、、
バーナーの火で熱して

専用の道具でぐいっと曲げる。

微調整であれば熱することなく、この道具にはめてぐいっと力を込める。これで微調整ができる不思議な素材、割れたりしないんです。

これは籐の脚付カゴの補強部分にぴったりとはまりました。
一見簡単に曲げているように見えますが、実はそう簡単に曲がりません。道具を使わずですが両手で力一杯曲げてみましたが全く曲がりませんでした。職人さんがすると簡単にギギッと曲げているんですが、力の入れ方にもコツがあるんですね。


籐加工独特の道具

工場を案内いただいていると不思議なものが壁に立てかけてありました。

なんでしょう?近くで見るとこんな感じ。

これも実は籐を曲げる道具。曲げる角度を決めて止めておく道具なのです。

こんな風に使います。外した後も微調整はするのですが、おおまかにはこれで曲げてしまいます。


籐の加工方法、組む


籐のかごにおいては土台となる底の部分が全体の形状の基礎となります。さすがに熟練の職人でも目で調整するわけにはいかないので、このような木枠を使います。

商品によってこの木枠は異なり、楕円形、円形、四角、大きさ形は様々です。籐の加工というのは材料自体が特殊なので道具も特殊なものが多いです。
こんな風に使います。ここにはめながら構造上必要十分に底面を組んでいきます。
補強を入れて組んだ土台はこちら。どれも綺麗な楕円形、美しい職人技です。

籐の製品が美しいのは、この構造に無駄がないからなのかもしれません。
こちらは籐の2段ランドリーラックのフレーム。補強としてはもちろんですがデザインとしての美しさも感じます。



籐の加工方法、編み

最後は編みの工程のご紹介です。
フレームは主に籐の芯材を使用し、つなぎ目の補強・デザインとして編みの工程に籐の皮部分を使用します。
2段ラックの補強の様子。艶がありますがこれは着色した籐の皮を使用しています。綺麗に編み込んでいきます。

フレームを組む際に隅のつなぎ目はタッカーで止めしているのでそのままだと釘が見えてしまうため、補強だけでなくより美しい仕上がりにもこの編みの工程は必須です。
こちらは脱衣カゴの編み込みの様子。綺麗に編まれている様はとても美しく、心地良いものです。



ものづくり、途絶えないために

ここまで籐工芸独特の工程、「曲げ」「組み」「編み」についてご紹介しました。
実は今回の取材で最も印象深かったのは代表の會田さんの考え方と人柄でした。

會田さんはもちろん職人ではあるのですが、考え方が良い意味で職人的ではないのです。
「最近はナチュラル系が好まれるからそっちにも力を入れていますよ」
「デザイナーとの仕事も売れる売れないとは別にいろんな発展があるから面白いんです」
一般的に職人はこれまで積み重ねてきたことがある分、時代やニーズの変化に柔軟に対応することが難しい。
でも會田さんはすごく柔軟。頑固な職人像と一味違う職人さん。「柔軟」これはおそらくものづくりが途絶えない大事な要素なのだと思います。


職人らしくない職人、でも職人

1980年代、業界としては下請けの仕事で十分に潤っていた時代。でも、少しづつ輸入品が増えてきて変化が始まっていました。他の会社も含め業界的に下請けで十分成り立っていましたがツルヤ商店では先を見据えてオリジナルの商品の開発を始めました。
おそらくこれが他の会社とツルヤ商店さんの違いであり、岐路になったのかもしれません。その後海外からの輸入品が増えるに伴って同業者の廃業が進む中、ツルヤ商店では工場や従業員を減らしながらも籐製品づくりを続けてくることができたのです。
それはこの柔軟さと、様々な方と仕事をしていく中で培った偏りのない視点があったからではないでしょうか。その姿勢はいまも変わらず、次々に新たな取り組みをされており、グッドデザイン賞や山形エクセレントデザイン大賞の受賞、山形の伝統工芸品まつりを中心となって引っ張られていたりと活躍は続きます。

職人であり、職人でない會田さん。柔軟な考えの持ち主の手にはしっかりと職人としての積み重ねが刻まれてました。

ツルヤ商店様、會田さん、お話をうかがう貴重なお時間を有難うございました。これからも当店ではツルヤ商店さんから生まれる素敵な商品を精一杯ご紹介させていただきます。




かもしか道具店

ツルヤ商店の商品一覧



ツルヤ商店 籐の2段ランドリーラック

籐の2段ランドリーラック





ツルヤ商店 籐のバスケット

籐のバスケット 丸型





ツルヤ商店 籐の脱衣かご

籐の脱衣かご




ツルヤ商店 Hile 脚付きかご

Hileシリーズ「脚付きかご」





ツルヤ商店 Hile 脱衣かご

Hileシリーズ「脱衣かご」





ツルヤ商店 Hile 脱衣かご

Hileシリーズ「乱れかご」




ページトップへ