ブランド紹介

HALムスイ



HALムスイ 無水鍋 ブランド紹介


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いまや日本車や外国車のパーツも手がける技術で丹念に造った無水鍋®は丈夫で長持ち。軽さと熱伝導に優れ、食材のうまみや滋味を短い時間で引き出します。
料理も、人も水いらず
時代を超えて、受け継がれる幸せの物語
そこには、いつも無水鍋がいます。     




HALムスイ 無水鍋 取材記



良質な砂鉄が採れる中国山地では、古くから鋳造が行われてきました。中でも広島市は、鋳造の技術を活かし造船業を発展させた地としても有名です。
今回はそんな広島市で、1953年から変わらず無水鍋を作り続けるHALムスイさんにお邪魔しました。
HAL無水 無水鍋
案内してくれたのは営業統括部長の門脇さんと営業統括課長の曽田さん。HALムスイさんの歴史や商品に込められた思いについてお話を伺いました。


HALムスイとは?
無水鍋を中心とした調理器具などの日用品を、クローズドマーケットでの訪問実演販売を中心にきたHALムスイさん。親会社は広島アルミニウム工業という製造会社で、無水鍋の他にも多くのアルミニウム鋳造製品を作っています。
HAL無水 無水鍋
「以前HALムスイは、日本食生活改善指導会という名前の会社でした。地方の公民館やコミュニティ施設、集会所などに毎年出向き、お客様の目の前で料理をしながら、直接五感に訴えるPR方法として料理講習会を行っていたんです」と教えてくれたのは営業統括部長の門脇さん。

発売当時の無水鍋の価格は、サラリーマンの平均的な初任給の約1/3という高価なものでしたが、訪問実演販売によって魅力が伝わり、シリーズ1000万台以上の販売実績となりました。


使うひとに寄り添う
日本食生活改善指導会は、その名の通り「食生活の改善に役立つ調理法を提案し、社会の役に立ちたい」という思いで設立された会社です。地方や集落を毎年訪れ、料理講習会を通じて「素材の味を活かし、美味しく、しかも栄養を逃さない」という無水鍋の特徴を伝えてきました。
HAL無水 無水鍋
「お客様と直接お話しすることで、商品開発の参考になる意見もたくさん聞くことができました。私たちにとってもとても学びのあるイベントだったんです」と話す門脇さん。

ただ売るだけではなく、使うひとに寄り添い続けるところが、長年愛され続けている理由の一つなのかもしれません。


無水鍋のルーツ
次に無水鍋の歴史について教えていただきました。見せていただいたのは大正時代の創業当時に作られていた羽釜です。手に取ってみると、重厚な見た目からは想像できないほどの軽さに驚きます。
HAL無水 無水鍋
「一般的な羽釜は鉄を鋳造して作られるので、女性が取り扱うには重すぎるんですが、この羽釜はアルミニウム製なので軽くて丈夫なんですよ。創業者はいいところに目をつけたなあと思います」という曽田さん。

鋳物というと鉄を加工して作られるものが多く、当時使われていた羽釜のほとんどが鉄製でした。アルミニウム製の羽釜はとても珍しいと話題となり、発売と同時に大人気商品となりました。


戦争を乗り越え、時代の変化とともに
アルミの羽釜の人気が続く中、昭和初期に広島に原爆が落とされました。街は壊滅状態となり、工場も被害を受けたそうですが、残った人員でまた製品づくりを再開することになりました。
HAL無水 無水鍋
農地が焼かれ、食料も十分に得られない貧しい時代。そんな中でも、羽釜で炊いていた頃のように美味しいご飯を提供したいという思いで立ち上がった人たちによって、羽釜に変わる調理器具の開発が始まりました。
戦後の復興で普及したガスの台所に対応できる、羽釜の底を平にしたような鍋です。

「当時は食料不足や栄養失調という言葉が多く聞かれた時代ですが、そんな中で素材の栄養を少しでも多く摂れるものを作りたいという思いがあったそうです。
そこで炊飯だけでなく無水調理が出来るものを作ろうということで誕生したのが『キング印 無水栄養ナベ』だったんです」と話す曽田さん。

現在にも続くKINGシリーズの無水鍋の第一歩となる商品は、生活が変わっても、変わらないおいしさを届けたいというHALムスイさんの思いから生まれたんですね。


鋳造でつくられる美しいデザイン
羽釜をもとに作られ、HALムスイの顔ともいえるロングセラー商品となった「KINGシリーズ」の無水鍋は、見た目の美しさと優れた機能性から「グッドデザイン賞」「ロングライフデザイン賞」を受賞しています。
HAL無水 無水鍋
「うちの無水鍋は、熱した高純度のアルミニウム合金を型に流し込む鋳造でつくっています。鋳造というとだいたい7割以上が鉄なんですが、鉄は約1400℃に熱する必要があるのに対し、アルミニウムは約700℃。
その点では扱いやすい素材だと言えます。軽くて頑丈な製品が作れるのもアルミニウムならではの特徴です」と教えてくれたのは営業統括課長の曽田さん。

鋳物で作られる継ぎ目のないスタイリッシュなデザイン。毎日使うものだからこそ、軽くて丈夫というのは嬉しいポイントです。


世界に認められたアルミニウムの鋳造技術
「アルミニウムを型に流し込む際、細かい気泡を入れずに作るのはとても難しいため、職人の熟練の技が必要です。気温などの外的環境に合わせて、流し込む角度やスピードなどを細かく調整をしていく必要もあります。
日によって、ではなく1日の中でも何度も細かく調整しているんですよ」と話す曽田さん。
HAL無水 無水鍋
長年受け継がれてきた高い鋳造技術によって作られるのは、調理器具だけではありません。広島アルミニウム工業の高い技術は、東洋工業(現在のマツダ社)の目に留まり、1950年代から自動車部品の製造を受託するようになりました。
金型設計から鋳造、仕上げ、機械加工、組付けなどの全ての生産工程に対応できる企業は珍しく、現在でも国内外の多くの自動車メーカーに採用されています。

アルミニウムの鋳造製品では、その難しさから不良品率が50%程になってしまうところも多いそうなのですが、HALムスイの製品にはほとんど不良品がないそうです。
まさに「世界に認められている技術」というわけなんですね。


無水鍋と言えばKINGシリーズ
「うちの無水鍋の特徴は、鋳造の技術の高さと鍋底の厚みです。展示会などのイベントではカットモデルといって鍋を半分にバッサリ切ったものをお見せしています。
アルミニウムの鋳造は特に難しく、気泡が入ったり変形してしまうので、カットモデルを出せる会社はそうそうないと思いますよ」と話す曽田さん。
HAL無水 無水鍋
薄い板状に加工したアルミニウムを型にプレスして鍋を作っているメーカーもあるそうですが、プレスで製造する場合には厚みを出すことができません。
厚みを出すには鋳造で作る必要があるのですが、鋳造でアルミニウムを分厚く加工するのは至難の業だと言います。
KING無水鍋の6.5mmの鍋底というのは相当珍しいらしく、鉄製でも5㎜が限界だそうです。HALムスイにしか作ることのできないできない商品なんですね。


様々なシーンで使える「1台8役」の実力とは?
軽くて丈夫なアルミニウム製の無水鍋。なんと8通りの使い方ができるというから驚きです。
炊く、蒸す、煮る、茹でる、焼く、炒める、揚げる、天火…その中でもやはり1番実力を実感することができるのが無水調理だそうです。
HAL無水 無水鍋
「余分な水や油を必要としない無水調理は、ビタミンやミネラルなどの栄養をできるだけ残したまま素材の旨味を引き出すことができるので、健康志向の方にもおすすめなんです。またアルミニウムは熱電動率が良く時短調理も叶いますし、余熱で調理することも可能です」話す曽田さん。

栄養がしっかり摂れ、時短になり環境にも優しい鍋。
SDGsに関心が高まる中、HALムスイの鍋には嬉しい機能がたくさん詰まっていますね。


まさに逆転の発想
一台8役の無水鍋ですが、なんと蓋をひっくり返すと直火用のフライパンとして使うこともできるんです。

「蓋をフライパンにした場合は、鍋本体を蓋として使うこともできます。例えば蓋側に浅くお湯を張って茶碗蒸しを作ると、美味しいだけでなく取り出す時にも楽ですし、蓋側でパンケーキを焼く時には鍋本体を温めてから被せるとふっくらとした焼き上がりになります」とのこと。
蓋に本体を被せるなんてまさに逆転の発想ですね。
HAL無水 無水鍋
蓋がフライパンになるというのは、キャンプが趣味の方からも好評だそうです。毎日使えて、キャンプ場で鍋にもフライパンにもなる。
丈夫なので落としても壊れにくいし金束子で擦っても大丈夫。言われてみればキャンプとの相性もとても良さそうですね。


アルミニウム鍋のお手入れ方法
使い始めに米の研ぎ汁を入れて10分ほど沸騰させると酸化を防ぐことができます。もし酸化してしまったり、汚れてしまってもクレンザーと金束子でガンガン擦ることができるので安心です。
しっかりとお手入れをすれば何年でも綺麗に使用することができる無水鍋。親から子へと受け継ぎながら愛用している方も多いそうです。
HAL無水 無水鍋
「60年前にお母様が購入されたものを譲り受けて使っている方もいるくらいです。長く使用できるという実績があるわけですから、そこにも価値を感じていただけると嬉しいですね」そう話す門脇さん。さらにこんなことも教えてくれました。

「本当は無水鍋と言っていいのは、1963年に商標登録を受けたうちの無水鍋だけなんです。長い間本物の無水鍋を作り続けている私たちの商品を、これからもたくさんの人に知って欲しいですね」


HALムスイのこれから
時代が変わっても、変わらない良いものを作り続けるHALムスイさんですが、これからどのように展開していくのでしょうか。今後についてお聞きしてみました。
HAL無水 無水鍋
「これまで主に訪問実演販売という方法をとってきました。商品の良さや活用方法を直接伝え、使うひとの声を聞くことのできるとてもいい方法だったと思います。しかし時代に合わせて変えて行かなければならないこともあります。実演販売が減り、コロナの影響でイベントの開催も難しくなってきた時期、注目したのはインターネット上での普及です。」

「実演販売の代わりに公式ホームページや公式インスタグラムに力を入れ、商品の良さだけでなく、レシピもたくさん紹介しています。ページを見た方からのお問い合わせやコメントはとても励みになりますし、商品を作ったり売っていく上で学ぶことも多いです。」

時代が変わっても変わらない良いものを、時代に合わせてカタチを変えてひろめていく。そこにあるのは作り手の変わらぬ思いと使うひととの交流でした。

HALムスイの皆さん、本当にありがとうございました。







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HALムスイ 無水鍋

KING 無水鍋









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