ブランド紹介
kenema


kenemaの手ぬぐいバリエーション
![]() 注染の手ぬぐい | 伊勢模様 |
![]() 注染の手ぬぐい | ガーゼ手ぬぐい |
![]() 注染の手ぬぐい | 鳥獣戯画 |
![]() 注染の手ぬぐい | ムーミン |
![]() リバーシブルムーミン |
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kenemaのものがたり
注染の手ぬぐいブランド「kenema」の誕生 「注染はまだまだ奥が深い」元 宮本株式会社開発部長の宮本基広さんは言います。 宮本さんこそ手ぬぐいブランドkenemaの仕掛人その人です。 ![]() 今ではカジュアルなお店で手ぬぐいを見る事も多くなりましたが、このような形で手ぬぐいと接する事が多くなったのは、宮本さんのアイデアと行動力に端を発するといっても過言ではありません。 宮本さんが会社に入った当時、あまり景気はよくありませんでした。 そんな中、手ぬぐいの新ブランドを作ることになった宮本さん、当初の状況は追い風ではなかったようです。 宮本さん自身も当時は「素人」、手ぬぐい作りはすべて手探り状態です。 しかし、一歩一歩着実にブランドを作っていきました。 手ぬぐい自体は昔からあるもので、そこに「少し」手を加え、「少し」イメージを変えることで、現代求められる手ぬぐいの姿が出来上がりました。 kenemaを世に出して約10年、結果的に今では宮本株式会社においてもkenemaブランドは主力ブランドとなっています。 今回はそんなkenemaの手ぬぐいの生まれる現場におじゃまさせて頂きました。 注染(ちゅうせん)?? kenemaの手ぬぐいは全て注染によって染められています。 注いで染めると書いて、「注染」。 関西地方の堺や奈良で、古くから盛んにに行われてきた伝統ある染色技法です。 現代では簡単に量産できる捺染(プリント)が主流で、その分価格も安くできます。 対して、注染は職人が手間と時間をかけて手仕事で染め上げます。 だからこそ仕上がりが違います。プリントでは出すことができない色合いや染料の柔らかさ、にじみが注染にはあります。 ![]() そしてその大きな特徴は両面から染料で染上げる技法のため、手ぬぐいに裏表がないということです。裏返しても裏じゃない。一緒のデザインです。プリントとのはっきりわかるもっとも大きな違いと言えます。 では、職人が手間をかけ丁寧に染め上げる注染とはどのようなものなのでしょうか。工程を追ってご案内します。 注染手ぬぐいの製作工程 和晒の一反(いったん・大体50m前後)を長いまま染め、洗い、乾燥させます。 さぁ、長い長い一反の手ぬぐいを、どう染め上げていくのでしょうか。 工程1:板場 「板場」と呼ばれる場所で、色を入れる部分と入れない部分を分けるため、型上からハケを使い特殊な糊で防染します。糊を乗せた部分には、色が入りません。 ![]() この糊の付け方で染まり具合が変わるほどの、大変重要な工程です。 型の上から防染するため、一回に防染できる幅は手ぬぐい一枚分。 一反もの長さがありますから、ハケで糊をつけては生地を折り返す作業を、何度も繰り返します。 ハケで糊をつける作業も難しいのですが、生地を折り返す作業も、実は相当難しいそうです。柄ぴったりに折り返さないといけない。ズレると染まり具合が変わってしまう、繊細な作業。それを大胆にテンポよく進めていきます。 工程2:染め 板場での作業が終わると、次は注染の名前の由来でもある「そそぎ染め」の行程です。 コンプレッサになっている染め台に生地を載せ、まずはデザイン通りの色分けにするため防染糊で土手を作ります。 ![]() そうして作った土手に特殊なじょうろのような道具でそれぞれの土手に染料を注ぎ込みます。 パソコンのペイントソフトで、色塗りをしたことがあるでしょうか。 線が途切れていると、色は違う箇所にまで流れてしまいます。 ![]() ちなみに、このじょうろの様な道具を生産しているところは現在ほぼなく、新たなものが手に入らないそうです。 だから、道具は全て職人さんたちが自ら修理しながら使い続けています。 見学をさせてもらうと、職人さんが用いる「道具」が出す雰囲気ってやはりすごいです。それ自体がオーラをまとっています。 さて、染料の注ぎ込みです。片手で注ぐ職人もいれば両手で注ぐ職人もいます。 ![]() 染料が跳ねたり間違ったりして違う土手に入れば全てが水の泡。ここでも慎重かつ大胆に作業は進みます。 染料を注ぎながら圧を調整するコンプレッサという機械で下から染料を吸わせるのですが、この吸入のタイミングも職人によってそれぞれ違うそうです。 染料が十分行き渡ったと思うタイミングに合わせて、コンプレッサを調整する。 まさに熟練の感覚の世界。 ![]() コンプレッサは足元で調整します。 素人目には分かりませんが、各工程の、職人のさじ加減によって染まり具合は本当に少しずつ変わってくる、それがつまり注染の味・風合いになるのでしょう。 工程3:洗い 注ぎ染めが終われば次は水洗い。一反の生地の長さに合わせて、なが~い洗い場があります。 ![]() 余分な染料や糊を落とすため機械や人の手で丁寧に洗います。 工程4:乾燥 そして最後は生地を吊るして、乾燥させる行程。 雨除けが出来るように、高い天井を持つ専用の場所に、色とりどりの生地が並んで吊るされます。 ![]() これこそ、注染工場独特の風景です。 風をはらんで生地がはためく様子は何とも風情があり、見ているだけでわくわくします。 今ではだいぶ注染の工場も数が減りましたが、昔はいろんな場所でこの風景が見られたそうです。 まだまだ可能性がある「注染」 宮本さん、そして注染職人の「注染」へかける想いは本当に強い。 「こんなものが作りたい!」「こんな風にすればもっとこうなるよ」 今回一緒におじゃまして聞かせていただいた会話節々に「kenema」が今こうしてここにある理由が垣間みられました。 ![]()
手前が宮本さん、奥が職人であり工房代表 そしてまだまだ注染は奥が深く、無限の可能性に満ちています。たかが手ぬぐいされど手ぬぐい。 一枚一枚のにじみやムラ、そこに作り手のこだわりと想いが込められている事を少し考えてみると、また手ぬぐい見え方も変わってくるかもしれません。 ぜひ、注染の手ぬぐいの裏側にはこんな人達が熱い想いを持って作っているということも知っておいていただけたら嬉しいです。 |
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