ブランド紹介

杉工場



杉工場 ブランド紹介


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杉工場は、昔から林業・製材業の盛んな福岡県うきは市にあります。明治中期より家具製作を始め、創業当初は主に「箪笥などの木製家具」を製作していました。次第に「生徒用机・椅子、跳び箱などの体育用具全般」の製作を始め、全国の学校へ納品するようになりました。昭和初期には、学校用家具工場として、当時の文部省から推薦を受け、丈夫な製品は高い評価を得ました。それから現在にいたるまで、国内生産にこだわり、長年の経験を活かしながら、安心・安全、人と環境に配慮した製品づくりを続けています。   



杉工場取材記



今回は福岡県うきは市の杉工場さんにお邪魔させていただきました。うきは市は福岡県の南部に位置します。

うきは市では昔から林業・製材業の盛んで、木製家具の一大産地福岡県大川市の上流にあたります。うきは市周辺で製材、製作されたものは大川市のメーカーなどで使用、販売されてきました。
そんな場所にある杉工場、現在は国内生産にこだわった「足もの」の家具を作っています。先にお伝えしておきますが杉工場さんだから「杉」だけを使っているわけではなく、社長が「杉」さんという名前だから杉工場という会社名なのです。
うかがわせてもらって最初に驚いたのは工場の大きさでした。扱うものが大きい分大きな敷地と大きな建物が必要になるのですね。

築100年以上の事務所兼ショールームの建物。
木は呼吸を続けるので不思議と使い続ける限りは朽ちたりはしないんですね。補修も可能なので手を加えてあげればこんなに長く使うことができるという木の長所のわかりやすい実例です。


杉工場の歴史

まずはその築100年以上の建物内部にある事務所兼ショールームスペースにお邪魔してみます。こちらは主に打ち合わせや商談を行われているスペース。




とても良い雰囲気で落ち着きます。まるでおしゃれなカフェかのような居心地。しかも使用されているほぼ全ての木が建築当初のまま使用されています。今ではこのスペースで各種イベントや演奏会なども行われているとのこと。それほど心地の良い空間なんです。木の力って本当にすごいですね。
最近では古民家を改装したカフェなどがありますが、おそらく人気の秘訣のひとつは木の力なんでしょう。
さて少し移動して1階のショールームへ。こちらも作家さんの展示会や、様々なイベントにも使用されているそうです。

杉工場さんの創業は明治19年(1886年)、歴史は100年以上になります。創業当時は箪笥など指物の木製家具製作から開始し、その後は全国の学校向けの机・椅子、跳び箱などの製作をするようになり、現在では主に家庭向けの足もの家具の製作を行なっています。「足もの」とは机や椅子など足で立つ家具を言います。
そんな会社の長い歴史をものがたるのがこのスペースです。杉工場がどのような歴史を辿り今に至るか、実際の製作していた商品とともに展示されているのでとてもわかりやすく興味深く見ることができます。

明治の創業当初は箪笥を製作。当時の日本は産業革命がおこり機械化が進みます。


大正期には学校向けの机や椅子、そして跳び箱やハードルを製作。当時のハードルは全てが木製だったということには驚きました。


昭和期には少しづつ家庭用の家具の製作へシフトしていきます。少しづつ一般家庭に普及してきたテレビのキャビネットなども製作されていたそうです。


そして現在では足ものの家庭用家具のみを製作しています。

実際に製作されていた商品とともに見る会社の歴史はとてもわかりやすく、ちょっとした博物館のような場所でした。取材にうかがったのに思わぬ形で楽しませていただきました。
一時期多くの会社が中国など海外に工場を移しました杉工場でも一時期中国やタイに協力工場があったそうです。しかし、海外工場での素材・塗料等の安全性に不透明な部分があり、再び国内生産のみにシフトしました。杉工場では最終的に国内生産にこだわったことで職人の育成、ノウハウの蓄積につながりました。
もし安価な商品づくりを目指して展開をしていれば今の杉工場はなかった。こだわりのものづくりを続けたからこそ今の信頼があるのですね。


加工前の見えない苦労

それでは実際の製造現場、工場へ向かいます。工場の入り口付近に山のように積み上げられた木材が。

木は自然の素材なので全てが違います。なので木の質や、木目、色合いなどによって使える箇所が違ってきます。ここで積み上げる前に仕分けを行い、分類ごとに分けて自然乾燥しているのがここです。よくみると山ごとに右上あたりに文字が入っているのが仕分けの記号。
この乾燥方法が「天然乾燥」といって自然な木材の乾燥方法、自然乾燥なので時間がかかります。またこの積み上げ方にも名前があり「桟積み」というそうです。木材と桟を交互に積み、良く風が通るように計算された積み方でとっても重要。

乾燥が進むと端が割れてきます。この部分は加工前に切り落とすそうです。
見ていただくとわかりますが、屋外です。雨に濡れても乾燥するのでしょうか?
木というのは元々はとても多くの水分を含有しています。木材自体の約1.5倍の水分を含んでいるそうです。なのでこのように屋外で雨にあたり日にあたりを繰り返しても十分乾燥は進んでいくそうです。自然乾燥の場合は数ヶ月(木材による)もの期間を要します。
また屋外ということで乾燥とともに木が汚れ日焼けなどで傷みますが少し削ってあげると綺麗な木目が出てくるそうです。
加工の前段階で数ヶ月、ものによっては数年かかるのが「木」の面白い点であり、最も大変な部分でもあります。商品になったものだけを見ていると想像もつきませんね。
この自然乾燥に対して、人工乾燥という乾燥方法もあります。

こちらが杉工場さんで人工乾燥で使用する乾燥室です。人工乾燥の場合は1,2週間と短期間で乾燥ができるます。その分木材にストレスをかけ、強制的に水分を抜くため一緒に脂分が抜けるなどのデメリットもあります。
どちらの乾燥方法がいいか、木材や何に使用されるかなどによって異なるため一概にどちらが良いとは言い切れません。杉工場さんでは両方の乾燥方法を併用されており、最適な乾燥方法で乾燥されいているということですね。


素材へのこだわり

木材の乾燥について紹介しましたが、そもそも無垢材を使用しなければこのような苦労は必要ないんです。素材にこだわる杉工場だからこその苦労。
杉工場では基本的には無垢材か、集成材(無垢材をつないだ素材)を使用し、重量などの理由で軽量化すべき箇所などには一部他の素材を使用します。
こちらは集成材を接着する様子です。サイズの大きな無垢材というのはなかなかありませんし、あったとしても高額でとても商品化することはできません。そのため無垢材を組み合わせて使います。

無垢材は素材そのまま、ということはごまかしがききません。それだけ加工には神経を使います。集成材を作る際も反りや木目などを考えて繋げる必要があります。
どちらも木材であることに変わりはないので、パッと見ただけでは違いはわからないかもしれません。でも、やはり無垢材の風合いは他では真似できません。家具になったときの存在感がなぜか全く違います。それを知っているからこそ杉工場では素材にこだわります。
そしてもうひとつ重要な要素が「エイジング(経年変化)」無垢材(無垢集成材を含む)は使うごとに味わいが増してエイジングを楽しめます。適度に油分を補給してあげると状態を変化させながらとても味わいを増しながらとても長持ちさせることが可能です。
ただ商品を届けるのではなく素材や作り手の想いも含めて届ける。そして使い手には少しづつ家具を育ててもらう。素材にこだわるということはそういうことなのかもしれません。


ハイテクとローテク

それでは実際の工場の中へお邪魔させていただきます。

こちらは乾燥を終えた木材の形を大まかに揃えていく工程。この次にNCという機械を使って曲線部分や細部の加工を形作っていきます。(NCの機械まわりは企業秘密、残念ながら写真も掲載はできません)


NCで形作られた部材。奥に写っている四角い木材を手前の部材のように形作ります。
次に精密加工ができる機械を経由します。軽微なズレも許されない場面で活躍します。アイアンの脚と木材を組み合わせる場合など少しのズレも許されません。(こちらの機械も残念ながら企業秘密です)


表面にオイルや塗料を塗る工程、ここはすべて手作業で行います。もちろん機械でできないわけではありませんが、ここでは塗りながら同時に検品も行なっているそうです。機械ではできない人の手・目だからこその検品作業。それに組み立てた後に問題が判明するよりも効率的です。


ここも手作業です。NCや機械で形作った木材より綺麗にやすりがけ。


おおまかな部分は機械で整えられますが、やはり細部は人が関わる必要があります。

見ていただくとわかるように、機械と人の手がうまく組み合わさっています。一見機械で進めれる工程も品質のために人の手で行なったり、だからと言って頑固に手仕事にこだわるわけでもなく。ハイテクとローテクの組み合わせのバランスがうまくとられています。高い質のものづくりを維持しながら、一定の生産性も確保する。ここに長年信頼を得続けてきた杉工場のものづくりの一端を垣間見れた気がします。


木製品製造の奥深さ

今回取材させていただいて感じたのは加工の前工程の重要さでした。
もちろん加工の工程に手抜きや間違いがあれば全てが台無し、そこに携わる職人の方々の行う工程は極めて重要であることに間違いはないのですが、こと木製品においては加工に至る前の素材の段階での工程が同程度に重要だということです。
素材にこだわればこだわるほど加工前の工程の重要度が増す。商品を見るユーザーからはあまり想像がつきにくいですが、木製品というのは木材があって加工して完成というわけでなく、その後の見えない部分に大いに時間と労力と費用がかかっているんですね。そう考えると無垢材の価値には自然と頷かされます。



どれが良いものなの?

私自身が昔はそうだったのですが、家具の良し悪しがわかっていませんでした。どうして価格が違うのか、デザイン?ブランド?そして高いものは何が良くて安いものは何がダメなのか。
家具というのは値段の安いものではありませんし、失敗はしたくないと思うのは皆同じだと思います。特に今回扱わせていただくデスクのような分野は選べる幅が少なく、どこに行けば自分にとって良いものと出会えるかもわからない。

結論を言うと価格の違いは、木の種類、国産か否か、無垢材か否か、表面の仕上げ方法、etc 要素が多くて正直一概に言えるものではありません。
だからこそ間違いなく自信を持ってご紹介できる“いいもの”があれば紹介したいと思っていました。今回杉工場さんに取材にうかがわせていただいたことでそれが見つかった気持ちです。

杉工場の皆様この度は取材にご協力いただきまして有難うございました。









杉工場の商品一覧



杉工場 MUCMOC

MUCMOC | 無垢材の学習机





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MUCMOC | 無垢材の学習椅子





杉工場 MUCMOC

MUCMOC | 無垢材の学習机用ワゴン




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MUCMOC | 無垢材のラック








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