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能作
能作製造現場取材記
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能作は富山県の高岡市にあります。 今から約400年前。1609年に加賀藩主の前田利長が高岡城に入り、「高岡」の町が開かれました。その6年後の1615年の一国一城令により、高岡城は廃城。城の無くなった高岡の町、一時は衰退していくかと思われました。 しかし、前田利常の「高岡の人々の転出を規制し、商業都市への転換を図る」という政策が功を奏し、高岡は発展の道を辿り始めます。ここに、高岡の「商工業の町」としての歴史が始まりました。 能作と鋳物(いもの)鋳物の歴史は、高岡の町の開町から2年後の1611年、前田利長が 現在の金屋町に7人の鋳物師(いもじ)を高岡に招いたことに始まります。 「鋳造」とは、溶かした金属を型に流し込み冷やして目的の形状にする製造方法を言います。「鋳物」とは、鋳造により出来上がった金属製品のことです。 鋳造は金属全般を素材としますが高岡では伝統工芸品となっている銅の鋳造が特に有名です。日本の銅器の生産額のなんと95%を、高岡が担っています。 そんな高岡市で、今から約100年前の1916年。"能作"は、この高岡の地に長く伝わる鋳造技術を用いた仏具製造を開始しました。当初は仏具、茶道具、花器などが中心でしたが、現在ではテーブルウェア・インテリア雑貨なども幅広く手がけています。 手に取ってみると感じるはずです。なぜか能作の商品には「心地よさ」のようなものがある、と。 「より能(よ)い鋳物を、より能(よ)く作る」能作さんが常に心がけている理念。 この言葉を軸とした物作りは素材や技術があってこそのデザインだということを念頭に置いています。デザインが一人走りすることなく素材・技術と継ぎ目無く一つのものをなしています。 その上で、デザインは新しく。常に新たなものに挑戦している能作。そこから生まれる商品は、まさに現代の日本らしさを追求した「いいもの」と言えます。 能作は日々探求し続け約400年築きあげてきた伝統工芸の技術を踏襲するにとどまらずシリコン鋳造など、新たな歴史を重ねる一歩を進めています。 高岡へ出向くと実感するはずです能作が高岡へ与えている影響があるということを。 能作と高岡現在、伝統工芸品の産地の多くに言えることですが担い手の少なさや商品の需要の減少に悩まされています。 高岡市も例外ではないはずなのですが、能作さんにはそんな空気はなく「新鮮な風」が吹いているように感じられます。能作さん限らず、高岡全体が新しい物事に取り組もう、変えよう、革新が必要だ、と顔を上げて前を見ている、そういった雰囲気です。 能作の姿勢伝統産業の産地では、往々にして新しい事に取り組みづらい傾向にあります。ですがここ高岡では伝統工芸を引っ張るべき立場の能作さんが、他者の先を走り伝統産業に携わる人の姿勢や意識においてあるべき姿を見せてくれている。 能作さんの姿勢を見る限り、能作さんが掲げる目標である「高岡の地で人に愛され地域に誇れるものづくりを目指す」は達成できているように感じさせられます。 高岡市の仲間とは、共に町を盛り上げていく姿勢を持ち、雇用においては、進んで若い職人を育てている能作。 具体的な行動が伴った言葉には、力強い説得力があり、事実、第1回「日本で一番大切にしたい会社」の特別賞を受賞したことも。 能作製品の心地よさの理由そんな会社が心を込めて丁寧に作り上げる商品だからこそ触れた時、私たちに何とも言えない心地よさを与えてくれるのでしょう。 高岡でこれからの日本の中小ものづくり企業のあるべき姿を学ばせていただいた気がします。ご多忙の中取材にご対応いただきありがとうございました。
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製造現場画像集
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